床・フローリングの傷は火災保険の対象?条件や申請時の注意点を解説

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床の傷も火災保険の対象となる

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火災保険の補償は、火災による損害だけでなく、様々な理由による建物や家財の損害が対象となっています。床やフローリングの傷もその1つです。今回は、床の傷に火災保険が適用される条件や注意点について解説していきます。

床の傷や凹みは、放っておくと怪我などの原因にもなり危険です。傷のついた床材が足を傷つけたり、凹み等が原因で転んでしまうこともあります。床やフローリングに傷がついてしまった際は火災保険が適用されるのか確認し、早めに修理をしましょう。

火災保険が適用される条件

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床やフローリングの傷は、火災保険の特約に記載された「不測かつ突発的な事故」や「破損・汚損」の項目の対象となります。火災保険の補償対象には「建物」と「家財」がありますが、床やフローリングは「建物」に当てはまります。

では、「不測かつ突発的な事故」とは何か、火災保険が適用されるにはどのような条件を満たす必要があるのか見ていきましょう。

契約内容に該当項目が含まれている

そもそも、契約中の火災保険の内容に建物の「不測かつ突発的な事故」や「破損・汚損」という補償項目が含まれていないと補償を受けることができません。このような項目がない場合や補償対象が家財のみになっている場合は、床の傷に対して火災保険を利用することはできません。

「不測かつ突発的な事故」や「破損・汚損」の項目は基本項目ではないので、契約時に外されていることも多いです。ご自身の契約内容を今一度よく確認してみてください。

なお、台風による風災(何かが屋内に飛び込んできて床が傷ついたなど)や水災(浸水して床材の張替が必要など)によって被害が出た場合には「不測かつ突発的な事故」ではなく自然災害の項目で火災保険が適用される可能性があります。

不測かつ突発的な損害である

床やフローリングの傷が火災保険に適用されるのは、不測かつ突発的な事故による損害である場合です。「不測かつ突発的な事故」とは、突然起きた予測のできない事故のことです。

つまり、事前に予測を立てて対策を講じることができなかった突然の事故で傷ができてしまった場合は、火災保険金が下りる可能性があります。「引っ越しや掃除の際に家具を誤って落としてしまった」などの例が挙げられます。

傷や凹みだけでなく、「焦げ」も補償の範囲内に入ります。「ストーブの故障で床が焦げてしまった」などという場合は火災保険の対象となります。

発生から3年以内である

損害が発生してから長い時間が経ってしまうと、事故と傷の因果関係を証明するのが難しくなります。不測かつ突発的な事故が原因であると確認できなければ適正な金額を割り出せなくなります。従って、3年以内に請求を行う必要があります。

火災保険が適用されないケース

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火災保険で床やフローリングの傷が適用されるには、以上の条件に満たしている必要があります。以下のようなケースでは火災保険は適用されませんのでご注意ください。

経年劣化による損傷

経年劣化は「不測かつ突発的な事故」には当てはまらないので、対象になりません。また、破損の原因や日時などがはっきりしていないと申請が通りにくいので、決定的なタイミングがわからない経年劣化による損傷は認められません。

また、床やフローリングに発生したカビも対象外となります。床のカビは突発的な事故によるものではないからです。日頃から掃除や換気をこまめにするなど、カビを発生させない対策は十分にすることができます。

故意や過失がある場合

故意な損害や重大な過失がある場合は適用されません。床やフローリングをわざと傷つけたり、事故の発生を予測することができたにも関わらず防止策をとらなかったりした場合は対象外となります。

しかし、小さな子どもが原因である場合は適用されることもあります。「予測できたかどうか」についての判断となります。ただし、繰り返し同様の事故が発生する場合は、誰が(何が)原因であっても、防止策を取っていないとして認められなくなるケースもあります。

損害額が免責金額以下の場合

火災保険には「免責金」が設定されていることがあります。免責金とは、簡単に言うと自己負担額のことです。損害が発生した際に契約者(被保険者)自身が自己負担しなければいけない額があらかじめ決まっています。

保険金が支払われることになった場合、損害額から免責額を引いた金額が契約者(被保険者)に渡されます。そのため、実際の損害の総額が免責金額よりも低い場合は、保険による補償を受けることはできません。

機能に問題がない場合

汚損・破損の程度が軽く、機能自体に問題がない場合は補償の対象にはなりません。傷などがあっても、それによって怪我をするといった二次被害が想定されない、外観上の問題のみにとどまるものもあります。

例えば、犬や猫のひっかき傷程度であれば日常生活に支障をきたすほどの危険な破損にはならないでしょう。火災保険は、そのものの機能に影響が出る場合に適用されます。

火災保険に申請する際の注意点

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ここからは、床の傷に対して火災保険金を請求する際に知っておいてほしい注意点を挙げていきます。

申請の認否は保険会社の判断

火災保険が適用されるには損害が発生した理由などが条件に合致していなければなりません。しかし、原因が「不測かつ突発的な事故」であったかという判断が難しいこともあります。

その線引きはあくまで保険会社側の判断であり、保険会社によって細かな条件が異なる場合もあります。契約している保険会社の支払い条件などを事前に確認、もしくは問い合わせを

すると良いでしょう。ただし、実際に申請してみないとわからないこともあります。

この傷や凹み、焦げなどによってどのような二次被害が発生し得るか、というところまで資料などを通して伝えることができると、認められやすくなると思われます。

引っ越しの際の損害の場合

発生した損害が引っ越し作業時の家具の移動などによるものの場合、引っ越し業者側が原因であれば業者側が賠償することもあります。引っ越し用の短期保険に加入していることも多いので、自分で火災保険に申請する前に引っ越し業者に確認を取りましょう。

賃貸の場合

賃貸の床に傷などができてしまった場合は注意が必要です。賃貸で借主が加入する火災保険の対象は家財であり、建物を対象とした火災保険に入っているのはオーナーです。床に傷を付けてしまった際は、まずオーナーに報告・確認をしましょう。

オーナーの火災保険が適用されることもありますが、適用されない場合は「借家人賠償責任保険」という特約で修理費用を補える可能性があります。

「借家人賠償責任保険」とは、借主が退去時の「原状復帰義務」を果たすための費用を補償するものです。偶然の事故などによる火災・破裂爆発、給排水設備の事故による水濡れが対象となります。

ただし、通常の火災保険とは異なり、「片付けをしていて誤って床に傷を付けてしまった」「子どもが遊んでいて傷を付けてしまった」などの理由では適用されないので注意してください。

床の修理費用の相場

床やフローリングの修理には、一度剥がして新しいものに張り替える「張り替え工法」と、元の床の上から重ねて張る「重ね張り工法」があります。張り替えの方が手間と時間がかかるため値段も高くなる傾向にあります。

費用の相場は、張り替えは1畳当たり3万円〜6万円程度、重ね張りは1畳当たり2万円〜5万円程度です。汚損・破損の程度によっては簡単な補修のみのこともあり、その場合はより費用も安くなるでしょう。

まとめ

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ここまで、床やフローリングの傷は条件付きで火災保険の対象となることを解説してきました。うっかりの事故でも火災保険が適用される可能性があります。契約中の補償内容をよく確認しておきましょう。

また、申請の際には損害が発生した日時や原因を伝える必要があります。被害状況の確認のために写真なども事前に準備しておきましょう。

床の傷は転倒など二次被害につながる恐れがあります。事故後はできるだけ早く保険会社に連絡・申請を行い、修理を行いましょう。

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