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ベランダで雨漏りする原因・場所とは
ベランダは建物からせり出している形状であることから紫外線や雨などの影響を受けやすく、住まいで雨漏りしやすい箇所のひとつです。ベランダの雨漏りする原因・場所で多いものを解説します。
床の防水層の劣化
ベランダの床は常に外気にさらされ、床面の防水塗装が劣化によりひび割れ・剥がれが起こり雨漏りが発生します。大雨で浸水を繰り返すことで、防水層に負担が掛かって雨漏りへとつながります。
排水口の詰まり・劣化
ベランダの雨漏りの原因で最も多いのは排水口のトラブルです。排水口が落ち葉やゴミで詰まると常に湿気を含み、床の防水層の劣化を早めます。やがて排水口周りの防水層も劣化して剥がれ、ベランダ裏側の軒天や居室への雨漏りを引き起こします。
笠木・手すりの破損
笠木は気付きにくいですが、排水口の次にベランダでの雨漏りが多い箇所です。笠木はベランダの手すり上部をカバーしている部材で、雨や紫外線から手すり壁内部を保護する役割を持ち、複数枚の部材を継ぎ合わせ被せられています。
継ぎ目部分は防水するためのコーキングが施されています。笠木部分の雨漏りは、コーキングの劣化や継ぎ目に使用されたビスの緩みが原因であることがほとんどです。
コーキングの劣化
ベランダの取合い部や目地に使用されるコーキングの劣化が原因の雨漏りも多く見られます。取合いとは異なる部材同士の接合部分のことです。
外壁と笠木の取合い、外壁とサッシ窓の取合い、ベランダの床と壁との取合いなどにはコーキングが施されています。コーキングは傷みが早く、紫外線や雨にさらされる環境であれば5~10年が寿命の目安です。
ベランダで雨漏りする場所別の修理方法
ベランダからの雨漏りにおいても、発生箇所や原因によって修理方法が異なります。まず原因を特定してから修理に取り掛かることで、メンテナンス費用を安価に抑えながら雨漏りを改善できます。
床面の修理方法
まず高圧洗浄でベランダ床面の汚れを落とします。下地処理を行ったあとひび割れがあれば下地補修して平らに整え、防水材を塗装してトップコートで仕上げます。トップコートは紫外線から床面を保護する役割があります。
排水口の修理方法
排水口(ドレン)が詰まることで周りの床も劣化しやすくなります。排水口の清掃に加えて、改修用ドレンの施工が有効な場合もあります。改修用ドレンとは、劣化した排水口周りをカバーして、排水機能を補強する役割を持つ部材です。
笠木の修理方法
雨漏りの原因が笠木部分のコーキングの劣化のとき、軽度なものであればコーキングの補修のみで対処できます。
しかし真下の軒天や居室へ雨漏りをしている場合、笠木全体の交換と、腐食した手すり壁内部の木材を新しくして、防水紙と外壁を貼り直す大掛かりな修理が必要です。
ベランダの雨漏り修理費用の目安
ベランダでの雨漏り修理費用は、部分補修で可能か全体補修を行うかで大きく開きがあります。ベランダの広さを10平方メートルとして算出した、ベランダの雨漏り修理費用の目安を解説します。
床の防水工事
一般的に、ベランダ床の防水塗装工事として行われることが多い工法にウレタン防水工事と、FRP防水工事があります。ベランダの形状や用途によって最適な工法が異なります。
ウレタン防水工事
雨漏りしている場合、床面の下地が吸水している可能性があります。下地から蒸発する水分が防水層の剥がれを誘発しないよう、専門業者からは下地と防水層とを密着させない絶縁工法を提案されるケースが多いです。
ウレタン防水工事のうち、通気性が確保できる絶縁工法を選択したときの費用目安はおよそ8万円~15万円で耐用年数は約10年です。
ウレタン樹脂は液状のため複雑な床面でもきれいに仕上げられる上、ベランダ防水工事の中で比較的安価なことが特徴です。一方、表面が柔らかく熱に弱いデメリットもあります。
FRP防水工事
FRP防水工事の費用目安はおよそ10万円~15万円で耐用年数は約10年です。ガラス繊維を使用しているため耐久性があり、熱にも強いのが特徴です。ベランダにテーブルやベンチ、植木鉢など重いものを置く場合におすすめしたい工法です。
一方、下地の状態によっては施工できないことがあること、塗料に独特な臭いがあるため施工中気になる人もいるというデメリットもあります。
排水口の修理
ベランダの排水口詰まりの修理で対処できる場合、費用目安は約3万円~6万円です。ベランダの排水口の交換が必要な場合、費用目安は約10万円~15万円です。改修用ドレンを設置する場合は1箇所あたり約15,000円が目安です。
笠木の修理
笠木のコーキングの劣化のみの補修で対処できる場合は約5万円~15万円が目安です。劣化が進行して笠木全体と手すり壁を交換するときの費用目安は、1メートルあたり2万円~4万円です。
コーキングの打ち替え・増し打ち
コーキングは2種類の施工方法があります。今のコーキングを取り除いて新たにコーキングを打つ「打ち替え」と、今のコーキングの上から重ね打つ「増し打ち」です。
打ち替えの費用目安は約900円~1,200円/m、増し打ちの費用目安は約500円~900円/mです。今あるコーキングの上から行う増し打ちは、一時的なメンテナンス費用を抑えられますが、劣化部分を完全に補修することは難しく、耐用年数も約2~5年ほどです。
増し打ちと比較して施工費用は掛かりますが、基本的には防水性が補強される打ち替えの施工をおすすめします。耐用年数目安は約7~10年です。
まとめ
今回はベランダからの雨漏りの原因を発生した箇所別に解説するとともに、修理方法や修理費用の目安についても紹介しました。
ベランダは建物からせり出している形状であることが多いため、住まいの中でも雨の影響を受けやすい箇所のひとつです。雨漏りに気付いたら、被害が進行する前に早めの修理を行うことが、メンテナンスコストを抑える最良の方法になるでしょう。
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